おはこんばんにちは。てむるです。
4月29日に横浜の産貿ホールマリネリアにて開催されたBig Magic Sunday Legacyに参加してきました。
結果は4-5で特に書くことがないのもあって、今回は大会レポートというよりはそれを含めた旅行記です。
よっていつも以上に毒にも薬にもならない記事。最後までお付き合いいただければ幸いです。
1.事の起こり
ショックランド混じりでカナスレを回していたのですが、それが先日ようやく完成。
https://twitter.com/RUG_mtg/status/968520104995536896
滞っていた理由はデュアランの値段3割言語7割。軽い気持ちでイタ語沼にハマるんじゃなかったよ……でも安いしTerra表記わくわくするじゃん?
で、完成したら誰かにぶつけたくなってくるわけです。大会出たりフリーで知り合いにぶつけたりしていたのですが、ここにきてBMO開催のお知らせ。
https://mtg.bigmagic.net/article/bmovol10-coverage.html
国内では貴重な賞金制の大会&SCGInviへの切符というアメリカンドリームに溢れる(?)イベント。
それ抜きにしても、競技レベルで300人超え、スイスラウンドで言うと8~9回戦の大会は、特に下環境においては貴重な存在。規模だけ見たらあり得そうなのは晴れる屋TCの大会くらいでしょうか。
これまで経験したREL競技の大会はPPTQのスイス5回戦&SEが最大規模。また知り合いを見ていて、最近は「そろそろGPにも出てみたいなぁ」という欲求が出てきました。
PPTQ→GPへの橋渡しとしてBMOは申し分ない規模ですし、スイス9回戦をREL競技でやり抜くことで、自分の中でプレイの指標が作れるかなという考えがありました。
ましてレガシーのカナスレをフルでぶん回したとなれば多少の自信にはなるかなと。
2018年の下半期にはレガシーのGPが控えていますし、出るかはさておき流れとしてはベストな形。
そんなこんなでBMOへの参加を決意したのでした。
2.計画
無事にBMOへの申し込みが終わったところで、今回は以下の3点を目標に設定。
・とりあえずドロップせずやり通す
せっかく参加してるからというのもありますが、今回の主な目的はプレイの指標づくり。具体的には自分の体力の消耗具合やペース配分を把握することです。そのためにはドロップせず何が何でも食らいついていくのが不可欠。
もちろんペースの把握を初回で完璧に……なんぞ出来ないので、そちらはざっくりとした感じでもOKとしましたが。
・トラブルや致命的なミスを起こさない
コミュニケーションエラーだったり警告をもらったりだったり、そういったことがないように。プレイミスは大なり小なりゼロにはできないのでここには含めません。
9回戦のイベント自体初なので、少々発展的な目標にはなりますが、普段から心がけてはいるので改めて。
・宿を取る
目標というか実行して現実のものにしてはいましたが。
早起きして電車に飛び乗れば行けなくはない距離なのですが、寝坊やGW混雑による電車遅延で遅刻するリスクが気になったのがまず1つ。
次に体力面を考慮すると、なるべく消耗を少なくする選択をしたかったのが1つ。
そしてお恥ずかしい話、「他人の付き合いで乗っかる以外で旅行に行ったこと」がほぼ皆無で、自分でサイト比較して宿を予約したりといった経験がほぼ皆無だったのが1つ。
思い返してみると大抵親に引きずられていった家族旅行だったり、友達に任せきりの旅行だったんですよね……これまで旅したのって……
さすがにそろそろ経験しておきたい、旅行に関するあれこれを全部やってみるか、と。GP出るならどうせ必要になってきますし。
ついでにちょっぴり旅行気分でも味わえたらなぁと。
3.1日目
で、横浜入り当日。
途中秋葉原に寄ってお守りとしてカバンにぶら下げる用の高垣楓さんのキーホルダーを購入。アキバの空気が好きで、英気を養いにぶらつくついでに。
脱線するんですが私『アイドルマスター』というコンテンツをそこそこの長さゆるりと追いかけていまして。
デレマスの担当は渋谷凛ちゃんと橘ありすちゃんなのですが、デレステで楓さんの限定SSRがなぜか揃ってしまったことから彼女にハマりつつ。
え、担当アイドルじゃなくてなんで彼女をお守りに選んだのかって?
いやほら、Canadian Thresholdじゃないですか。カナダですよカナダ。国旗国旗。
……ね?
……こんなんだからこの酔っ払いが揃ってしまったのかなぁ。
彼女ものすごくダジャレ好きなんですよ。ものすごく。ものすごく……
●本日のお宿
閑話休題。京浜東北線に揺られ、石川町で降りる形で横浜入り。
本日のお宿はホステルZenというところ。宿に向かってとことこ歩いていきます。
・公式サイト:http://zen.ilee.jp/
・内装なんかを紹介したのがこちら:http://hamarepo.com/story.php?story_id=3341
「どうせ帰って寝るだけだし、狭いところ落ち着くし、個性的な内装は気にならんな」とリザーブ。朝食ついてたのも評価点。
ですが地図等をチラ見して勘のいい方は「Oh……」となるかもしれません。こちらのホステル、なんと日本三大ドヤ街が1つ、寿町のど真ん中に立地。
三大のうち1つに大阪・あいりん地区こと西成があると書けば何かを察してもらえますかね。私は予約してから調べて気づきました(白目)
「お兄さん何も知らずにこの街に来たのかい!運が悪かったなぁへっへっへ……」
なんてRPG的不穏インシデントに、平成も終わりに差し掛かった頃になって遭遇するなど……自らの無知を呪い内心頭をぽかぽかしつつ街を歩いていました。
とはいえ実際歩いているとそこまで治安は悪くなさそうな。
数年前には殺人事件も起きたりしたみたいなんで別に良いわけではないでしょうけれど、滞在中にトラブルを見かけたり巻き込まれたりもありませんでした。
暗闇からおっさんが突然現れて目の前を通り過ぎ、無言で驚いたりしたのはぽこじゃかありましたがね。
夜はとにかく暗い。明かりが少ない上に、絶妙に死角が多いから謎の緊張感があります。
松影町2丁目の交差点過ぎたら街の様子と空気と自販機の値段が一変するので、何も知らずに行っても「おや?おやおや?」と違和感は覚えそう。
そんなこんなでとぼとぼ歩いて宿に到着。本館と別館とあるうちの本館でした。
駅からは道がわかりやすく距離も近かったのは嬉しい。こればっかは実際歩かないとなんともわかりませんし。
受付は5階。エレベーターは(多分)なし。4~5階の階段の壁にめちゃめちゃ昆虫の標本貼り付いてて、街中よりもこっちの方が驚いたという余談。
受付で料金をまとめて支払い、泊まる部屋の鍵を受け取り。この鍵は出かける際返したりせず、期間中は宿泊者管理で持ち歩く形になるとのこと。
門限もなく(そもそも宿の入り口に扉がない)部屋というか住まいを借りてる感がすごいです。
トイレやシャワー、洗面所は階の真ん中や端の方に存在する形で部屋の外で共同となっていました。ウォシュレットついてたのが嬉しい。
台所と冷蔵庫もあって、料理しても良いとのこと。調味料は好きに使えってのがすごいなぁ……
ビジネスホテルとかカプセルホテルに泊まった経験はありますが、この手合いは初めて。気づいてなかっただけであるいは既に、という可能性もありますが。
堅牢なドアを開けて入った部屋の中は、手狭なところにベッドがどーん。壁にテレビ。小さい机。終わり。Wi-Fi飛んでるのもあって、娯楽には不足しませんでした。
窓からの風景は端的にいうと『空の境界』の『俯瞰風景』です。劇場版。別の宿泊施設の利用者が洗濯物干してるのがバッチリ見えたり。
アートに溢れる部屋もあるようなのですが、今回は普通の内装でした。内装気にならないのですが、なんだか少しだけ残念。
個人的にはこういう所好きなので結構満足してますが、他の人にオススメするかと言われると(街の空気含めて)人を選ぶのは確かなホステルでした。多分この文章読んで「俺もいけそう!」ってなる人は大丈夫なんじゃないかな。
まぁでも街の空気的にレガシーのデッキ抱えて行く場所でないのは確かでしたがね……
●風呂を探せ
シャワーはある、と書きましたが、どうやらコインシャワーの模様。
旅先でコインシャワー入るくらいなら、と銭湯を探して行くことに。
話は前後しますが、家を出る直前に謎の電波を受信しタオルや寝間着をつめこみ、コンビニや薬局に寄って携行用のシャンプーとか必要そうなものを購入していたのですが、宿着いてからドンピシャで役に立ってたことがわかって我ながら謎の感慨に。
いや自分で前もって調べとけよって話なんですがね。うっかりしていました☆
結果的に問題ないからオッケーオッケー。
で、銭湯どこじゃ、そもそもあるんかなと宿のWi-fiに乗って存分に検索エンジンをぶん回していました。
最初に見つけたのはこちら。
・翁湯:https://k-o-i.jp/koten/okinayu/
勤労福祉会館の中に入ってるってなんかもう立地からしてすげぇなって感じですが、近いしいいやと半ば思考放棄気味に必要なものだけ持って宿を出発。
スクショした地図をもとに歩いていたのですが、おかしい、ちっとも見つからない……
不審に戻って一度宿に戻って検索。月末久々にひっかかった通信制限が完全に足かせに。
文明の利器におんぶにだっこな我が身に涙しつつ検索エンジンをブンブンしていたら、なんか建て替えに伴う移転と取り壊しとか出てきたんですがどういうことなの……
http://www.yokohama-kotobuki.or.jp/%E5%AF%BF%E7%94%BA%E7%B7%8F%E5%90%88%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%A6%8F%E7%A5%89%E4%BC%9A%E9%A4%A8%E3%80%80%E5%BB%BA%E6%9B%BF%E3%81%88%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/
思ったより情報の密度があったことにくらくらしつつ、見切りをつけて次の場所へ。
・恵びす温泉:https://k-o-i.jp/koten/ebisuonsen/
駅挟んで反対側なのですが、そこまで距離も離れていないし道も入り組んでいないしで無事に到着。
入り口の券売機で入浴券購入、靴箱の鍵と入浴券を渡して脱衣所のロッカーの鍵を受け取り……という流れでいざ入浴。
4月の終わりだというのにやたらと暑かったからか、風呂上がったときのさっぱり感たるや。
明日もこの調子なのかしら、と昏い考えが頭をよぎりましたが……途中で夕飯食べに中華料理屋入ったりしつつ宿へ帰還。
デッキ組んでリスト書いて就寝。そのあたりは後ほど。
4.2日目:朝
デッキ組んで布団入ったのが1時、寝付けたのがおそらく2時くらいだったのですが、明るくなってきた6時半ごろに起床。
無事に0回戦は突破。とはいえ睡眠が足りてるんだか足りてないんだかという目覚め。
朝食は食パン(食べたい枚数をトースターで焼いて渡してくれます)、バナナ、ゆで卵にコーヒーというラインナップ。2日間これだったので多分この宿毎日これですが、日頃の朝食がシリアルに牛乳かけるくらいの私からしたら僥倖でしかない。
もさもさ食って部屋に戻り、支度して出発。
途中コンビニに寄ったり自販機で飲み物や軽食を調達。
自販機めちゃめちゃ安かったのは助かりましたね。朝に宿出てその日の飲料を調達するとき、安さと手軽さが嬉しい。
まぁ朝から街の空気は不穏……っていうか、明るくなっていろいろ見える分むしろ夜のほうが怖くなかった気がするぞ……?
昼間から地べたに座ってカップ酒をあおり……というのが起きてても違和感なさそうな異邦感。というか実際昨晩カップ酒の瓶にけつまづいたし。
ところでお守りに買ってカバンにぶら下げてた楓さん、めっちゃ笑顔でビール持ってるんですよね。
https://www.gamers-onlineshop.jp/pn/%E3%80%90%E3%82%B0%E3%83%83%E3%82%BA-%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%80%91%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A5%E3%80%80%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%80%80%E3%83%87%E3%82%AB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%80%80%E9%AB%98%E5%9E%A3%E6%A5%93%E3%80%80%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E3%81%AE%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%A8%E3%81%8Dver./pd/10312984/
この街をこれぶら下げて歩くってなんの因果でこうなってるんだ。なにわろてんねん。
旅ってこんなもんのが楽しいよな、と割り切って苦笑するしかない。
まあ全部己の招いた結末なんですけどね。
中華街を抜けていくのが早かったので朝方の中華街を歩いて会場となるマリネリアを目指します。
流石に営業してる店は見かけませんが、これが夜になると人で賑わうのか……と考えると、なんだか少し楽しみが増えた気もしつつ。
門の名前や交差点を手がかりに、特に迷うこともなく会場へ着地。
通信制限下でもペアリングアプリが動くのかしらと心配をしながら、BMマンからもらったアメを舐めたりして暇をつぶす。
ペアリングアプリ自体はいつぞや割と炎上してたのがウソのように(というかそうでないと困る)便利でした。
まぁその一件があったせいか、ジャッジ等のアナウンスで「大変便利な」と入った際に会場からちらほらと微妙な笑いが出ていましたが。
通信制限下で動いてくれたし今後も頼むぜ、という思い。
5.2日目:大会編 ~デッキについて
成績はともかく、大会参加レポなのに使ったデッキについて何も書かないのもなぁ……ということで。
●構築よもやま話
全くの余談なのですが、構築フォーマットについて私は大会前日の夜になってから実際にデッキを組み始めることが多いです。それまでは構想を練ったり大会の上位レシピを眺めて、気になったものや気に入ったものをピックアップしておくくらいにとどめがち。
よくわからない弁明をすると、別にヤソごっこしてるとかじゃなくて自然とそうなっちゃったんです。
今回のカナスレもその例に漏れず。ただレガシーでは現状これしか使っていないのもあってメインボードはすでにほぼ完成していました。その分サイド組むのに2時間かかりましたが。
●使用リストと戦績
閑話休題。
それぞれTwitterから引用。
リスト:https://twitter.com/RUG_mtg/status/990865152877641728
戦績:https://twitter.com/RUG_mtg/status/990572303967649792
リストについて不足は感じませんでした。不足があるとすれば、私の知識と技量。つまりはやり込みです。
エルドラージ、ペインターは相性以前にそれらを特に痛感しました。相手が何をしてくるかがふんわりとしかわからないため適切なサイドボードやその後のプラン立てがしづらく、さらにはなぜ負けたのか分析もしづらい。
これはグリデル戦はじめデルバーミラーも然り。
URデルバーは知識がすでにある程度あり、実際の試合もトップ勝負にもつれ込んで僅差で負けといった形を2回だったのでやむなしという感想ですが、グリデルについては対戦経験の少なさが歯がゆい。精進せねばなりません。
リストに不足を感じないのも、知識不足が原因となって正確に判断が下せていない可能性がありますしね。
しかし、これだけ課題が多いフォーマットであることを痛感しても、不思議と爽やかな気持ちでいられました。
負けた理由の分析をするためにもやりこまなくてはわからないレガシー、奥深さと面白さに溢れています。やっていて常に感じるのは、マジック始めたてのあの頃の、何もかも新鮮でただ知識と体験を貪る楽しさ。
あとは上がるだけです。
●メインボード
特筆することは《電弧の痕跡》、クロックの選択でしょうか。
具体的には「タルモゴイフは必要か否か?」。
・《電弧の痕跡》
第10回のレガシー神決定戦の記事(http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/4947)、またTwitterのフォロワーとのやりとりを経て採用してみましたが、2018年4月現在の環境にはかなりマッチしていると感じました。
主な役割は1:2交換。カナスレで貴重なアドバンテージを稼ぐカードです。
同様の役目を担っていた《二股の稲妻》も《火+氷》も、個人的には今ひとつ足りない感覚を抱いていたのもあり、2点+1点という割り振りができるのは見た目以上に強く感じました。
注意すべき点は、同一の対象に3点は飛ばせず、最悪自分自身を対象にとる必要もある点。BMOでは相手本体に2点、自分本体に1点というのを実際にやりました。
使っていてあまりにもハマるし気持ちがいいので2枚くらい欲しくなるのですが、必要悪的に《四肢切断》を取らねばなぁという思いもあり、結果的に1枚のみの採用に。
・タルモ必要or不要論
近年では《わめき騒ぐマンドリル》や《真の名の宿敵》といった代替として申し分ないクロックの出現、《致命的な一押し》の登場から、ことカナスレにおいてタルモは必ずしも必要なカードではなくなり、採用の是非については議論が続いています。
MTGGoldfishに掲載された以下の記事はこれに関する事項(クロックそれぞれのメリットやデメリットなど)をだいたい網羅しています。
個人的には「全てはメタゲームさ」としか言いようがないと感じていますが、ここしばらくはせっかく買ったという情を抜きにタルモを採用しております。
理由は「枚数が取れる」ため。
《わめき騒ぐマンドリル》は4/4というサイズとトランプルから、甘えたブロックを咎めタイトなライフレースを押し付けていく強みがあります。
CMC的に《致命的な一押し》や《突然の衰微》が効かないことから、BUG系ミッドレンジを始めとするクリーチャーデッキ全般にライフレース面で優位に立ちやすく、実際に以上の点から勝ちを拾った試合もあります。
しかし、《敏捷なマングース》との共生を考えると積極的に複数枚の採用はしづらく、空いた穴を必然的に《真の名の宿敵》や追加のスペルで埋めることとなります。
前者はサイドボードにて採用率の高い《乱暴+転落》と衝突し、前者も後者もクロックの重さから着地、ゲームエンドまでに遅れが生じる恐れがあります。
《タルモゴイフ》はそういったデッキ内でのコンフリクトとは無縁で、《グルマグのアンコウ》やエルドラージ系のサイズの大きなクリーチャーと対等かそれ以上に渡り合うことも可能です。
4枚採用も難しくなく、複数枚横に並べてアグロ気味にゲームを支配していくプランも取りやすくなります。
私見ですが、カナスレは一般に言われる「マナ否定やカウンターで蓋をしつつ、優秀なクロックでアンフェア気味にゲームを終わらせるデッキ」であることに加え、テンポデッキという性質から「軽量ドローを中心としてアグロ、ミッドレンジ、コントロールプランを自在に使い分ける理論上最強デッキ」でもあると捉えています。
そのためアグロ、ミッドレンジ、コントロールとどのプランを取るにも無理のないゲーム展開がしやすく、何にでもだいたい強い《タルモゴイフ》がクロックとしてふさわしいと感じました。
ただ、重ねてになりますがこれはメタゲーム次第で変動しうると考えています。
《わめき騒ぐマンドリル》も《真の名の宿敵》も、ライフレースという観点から「マナ否定やカウンターで蓋をしつつ、優秀なクロックでゲームを速やかに終わらせる」というカナスレのコンセプトに沿っているのは確かですし、先述の通りタルモとは全く異なる性質、独自の強みを持ちます。タルモにも弱みはうんとありますし。
サイドボード構築を含めてどういった選択、ゲームプランニングをしていくかは入念に検討する必要があり、要不要は一概に断言できないことも事実です。
●サイドボード
ザ・日和見2000。浅く広く作りました。いくつかピックアップして詳しく。
・置物破壊
私見では茶破壊は理想的には3枚、最低でも2枚あればよいかなと。
エンチャントはそもそも打ち消さないと即死するものしかないので割るという考えがありません。独楽がBANされてからは《相殺》もあまり見ないですし、《相殺》自体メインの《呪文嵌め》やサイドの《紅蓮破》の当てどころで、そもそも奇跡相手に相性が良いと考えているのでスルー可能レベル。
今回は1枚を《炎の印象》とすることで、デルバー系へのガードを上げつつタルモのサイズ確保を狙いました。
また、《削剥》と《古えの遺恨》を1:1に散らすことでさらに浅く広くし、苦手なデスタク系へのin枚数とガードは落とさず構築。
《硫黄の精霊》なんかを取るか悩みましたが、3回戦で勝ちを拾えていますし、9回とも異なるデッキと当たっていることから結果論としてはこれで良かったかなと。
ちなみに2時間かかった原因の3割。
・《炎の印象》
言われるまで気づかなかったのですが死儀礼に抜かれないことから採用(あほ)。タルモが育ちやすくなります。
追加の除去枠としてはたいてい《渋面の溶岩使い》が優先されますが、マングースとのアンチシナジーや、そもそも真っ先に除去飛んできて安定して機能しない点が気になっていました。
素直に打ち消しと入れ替えるとデルバーのひっくり返る確率は微妙に下がりますが、そもそも彼を確実に変身させる手段自体が……ということでそこは妥協。
・《発展の対価》の採用
タルモが弱点となるのはBUG系を始めとするデッキ。またエルドラージや土地単相手に無理やり押し込んで相性やゲームをひっくり返すカードとして、お守り気味に採用。
2時間かかった原因の6割。
この枠を《硫黄の渦》などを取ってコントロールに更に強くするか、《硫黄の精霊》や追加の打ち消しを取って負けにくい相手を作るか……といったことを延々と悩んでいました。
どうせトップメタはグリデル想定なので、グリデルを狩りに来ているデッキで何が多いかをうだうだと悩んだ挙げ句寝る時間になり、「よくわからん」と逃げの一手でお茶を濁した形。
結局一度も引かなかったのですが、上記を取っていてオーバーサイドボードになっていたら……と考えると、逆説的に正解だったのかなぁとは。
2時間のあと1割は枚数確認とか諸々。
6.2日目:夜 ~祭りのあと
そんなこんなで4-5。エルフかURデルバー戦のどちらかで勝てていれば……などと多少考えはしましたが、考えたところでどうなるでもない話。
全敗も割と起こすので、初めて競技レベルのレガシーに出て、この成績ならまずまずかなと。
現地で一緒になった知り合いに時々マッチ後の反省会に付き合ってもらったりもしたのですが、プレイ面やサイドボードで明らかなミスをしていないっぽかったですし。
ちなみにその知り合いはマネーフィニッシュしてリストがネットの海に乗りました。日頃からクソうまいなこの人って感じなので特に驚きはしませんでしたが。
これから詰められるところがまだまだあるなぁということで今回のBMOは終了。勝っても負けても楽しい時間でした。ありがとうBIG MAGIC。
そうそう、普段は大会終わると肩こりと頭痛と疲労で死にかけてるんですが、今回9回戦ほぼフルマッチもつれこんでるのにぴんしゃんしていました。
理由を考えてみたんですが、最近少し運動したり体を鍛え始めたのと、睡眠と当日浴びるように水とスポーツドリンクを飲みまくっていたからかなぁと。
毎ラウンド終わるたびに500mlのペットボトルがほぼ1本空くペースで消耗と補給を繰り返していました。会場の席配置のせいかレガシー側がすごい気温になっていたらしいのもあるのかなとは思うのですが、ドロップして人が減った後半でも補給ペースはあまり衰えず。
補給と体作りと休養。「私に足りてなかったのはこれか!!」という気づきを得たのは今回の旅の大収穫でした。およそカードゲームらしい要素ではない気もしますが。
補給というと、松屋が来ていたのも大きかったですね。カロリーと血糖値と幸福度をありがとう。チョコレートバーとかおにぎりだけだとやはりその辺キャップを感じてしまうタイプなので、肉が食えるのはとても嬉しかったです。
で、慰み半分にせっかく物販来てるし覗かないわけにも行くまい!と気持ちを切り替えお買い物タイムへ。体も元気だしね。
実はラウンド間でもちょこちょこ覗いていたのですが、買うか迷っていたものはだいたい品切れてしまっていました。とほほ。まぁ念のため持っておきたいなくらいだったので買えなくても……という感じだったのですが。
なにかないかしらとファイルをめくっていたところ、なんとSCG謹製、Caleb Schererのストームカウンタートークンを発見!!
Caleb Scherer氏はSCGを中心にモダン・レガシーでストームデッキを回し続ける達人で、彼がSCGの招待制大会、SCGInviを優勝した記念として作成されたのがこのトークン。Twitchで精力的にMO配信(日本時間だと真夜中ですが)をしていたり、サイドボードの記事を書いたりなど、実力も相まってストームを学ぶならまずは、と支持されているプレイヤー。あと猫好きです。飼い猫の写真がたまにTwitterに上がるんですがこれがすごく可愛いの。
一時期モダンでストームを練習していた時期があり、またどうせレガシーなら相手のを数えるのに使うから持っててもよいかと探していたのですが、モノがモノで晴れる屋すら取り扱っていない模様で中々見つからず。それがこんなところで出くわすとは!
もちろん即座に購入。これを逃したら次はない予感しかないしな!
あとはガラガラでも回そうかなと。モダンもレガシーも新しいデッキを組んだり足りないカードを買ったり、といったことがないので。こういう機会しか中々楽しめないものですよね、これとかクジとか。機会というより中身的に。限定って言葉に弱い人種なんです。
「BMさんのサプライおしゃれなの多いし、だいたい何出ても嬉しいな」ってことで1回回した所、Rebecca Guayのデッキケースをもらいました。
やたらとでかい。「今日のFNMはモダンのアブザン連れて行って《未練ある魂》いっぱい並べよ!」ってときにちょうど良さそうなサイズ感です。多分ぜんぜん伝わらないとは思いますが。
3重スリーブくらいでも余裕で行けそうなサイズなので、需要ありそうだしこれむしろ店売りするべきなんじゃ?とはちょっと頭をよぎりましたが、世の中そんなに物が簡単に売れないんだろうなぁ。権利的なものとかもあるのかしら。
会場でやることなくなったあたりで、今日中に電車で帰るという件の知り合いとともに駅へ。途中までは一緒だし、と。
その後一旦宿に帰って荷物を入れ替え、昨日同様風呂と晩飯を求めに出発。
せっかくだしなーと中華街で手頃な値段の店に入りました。事前に調べておくのも良かったかな。
最悪コンビニ弁当でもいいかという考えだったのですがあまりにも無軌道すぎた。
銭湯では1日目は気づかなかったのですが、男湯と女湯の入り口の間に階段がありました。
上がるとリラクゼーションスペースみたいになっていて、脇に2台のマッサージ椅子が。
10分200円。課金して体をほぐす。
なんかバリバリゴリゴリ鳴ってたんですけど私の体どうなってんだろ。
すっかり休養旅行にきたような気持ちになりながら宿へ。
海が近いからか空気が心地よいです。そういや会場からも少し出れば海がバッチリ見えたなぁ。
泥のように眠る……ということもなく、ぼんやりとTwitter眺めたり深夜番組眺めたりしつつ、眠くなってきたところで就寝。
7.3日目
大会は終わりましたが旅はもう少し続きます。
まぁ無軌道旅行なので、大した続きでもないのですが。
昨日の帰り道で知り合いから「“楓”って名前のラーメン屋が横浜駅の方にあるぞ」という情報を入手していたので、まぁこれも何かの縁と昼食はそこにしようと決めていたものの、それまで何をするかが全くの無計画。
赤レンガ倉庫やカップヌードルミュージアムがマリネリアから割と近くにあったのですが、内容的にふらっと行くところでも一人で行くところでもなさそうな印象。
加えて幼い頃に横浜には何度か旅行に来ており、みなとみらいや中華街といったメジャーなところは既に経験済み。
新しいところにいくのと改めてもう一度いくのだと、余程でない限り前者を選びがちな私。行く場所のなさに悩むというおそらく旅行にあるまじき苦しみを味わっていました。
結局「横浜の風が気持ちよかったし、海ももう少し見たいなぁ」という何も生産性のない考えから「赤レンガ倉庫周辺→汽車道→横浜駅方面と単に散策しながらなにか見つければいいか」というふんわりキープ基準で宿を出発。
ちなみにこの時点で確か大体8時くらい。
どうせチェックアウト10時で少しでも伸びるとお金かかるので、早く出るかという気持ちだったとはいえガバキープの予感がする。
横浜の港町感を楽しみながら上記のルートをぶらぶらしていたところ、案内看板に横浜美術館の文字が。
横浜美術館:http://yokohama.art.museum/
美術館か!美術館なら一人でも楽しめるぞ!大抵は特別展もあるし!!
とウキウキしながら歩いていったところ、特別展はどうやら現在ヌード展を……
ヌード……ヌード!?
あぁ私が浅学なばかりにヌードさんという作家がいるのを知らなかったんだと《思案》して考えをシャカシャカして現実から逃げていたのですが、そんなことはなく普通に裸の方のヌード。
開館時間は10時、現在時刻は9時半ジャスト。
いかん、私これでは息を切らせて(※ぶっ通しで歩いてて荷物の量があったからです)HADAKA☆目当てにフライングした残念なおっさんに見えやしないかこれ……?
ちくしょうやっぱりガバキープだったじゃねぇか!!
っとはいえ行く宛もなし、なんでこんな展示をやってるんだと気になったので覗いてみることは決定。
問題はどこで時間を潰すか。少なくとも30分前から並ぶ熱心な客ごっこをできる身分ではなし、GWの朝9時台に開いてる店なんてコンビニか喫茶店か……
と周りを見渡していたらTSUTAYAに併設される形でスタバを発見。
コンクリートジャングルにオアシスはあったんだ!!トップドローでガバキープ解決!!優勝!!
と駆け込むも、もちろんそんなはずはなく。
休日のこの時間なのにそこそこ混んでる。
TSUTAYA内の本を持ち込んで読んで良い形式のところだったみたいですがそれで混んでるのか?祝日の朝から?
前に並んでるご婦人は「キッシュが冷めちゃうでしょ」と店員にコーヒーはよ出せと静かに圧をかけて急かす。
やっぱりガバキープだったじゃないか今朝の自分よ……
まぁそんなこんなで精神をすり減らし、開館とほぼ同時に美術館内へ。
受付のお姉さん、私が「特別展のチケットを1枚」とぼかしたのを、よくは聞き取れなかったのですが「はい、ヌードですね」と話していたような……
いつから……人間の耳と心は汚れて……
違うんだ、私はそんなつもりでヌードを見に来たんじゃないんだ……
ちなみにというか美術館の名誉のためにというか、展示自体は思わず図録買うレベルに結構面白かったので興味があればぜひ。
ロダンの彫刻がメインっぽいんですが、迫力と色気がすごくて老若男女問わずみんな見入ってました。
・公式サイト:https://artexhibition.jp/nude2018/
時代とともに変遷するヌード表現への向き合い方、あるいはその表現の扱われ方みたいなのを紹介してたんですが、知ってる名前も知らない名前も出てきたりして度々驚かされます。
毎年やってる?のかな?今年は英国テート美術館からやってきたみたいですが、来年どんなものがやってくるかはちょっと気になる。
常設展示も同じチケットで行けたので、暇つぶしのつもりで入ったのが申し訳なくなるくらいにはエンジョイしてました。
……30分前から並んでても良かったんじゃないかな。結果論だけど。まあでもビル風強かったしなぁ……
そんなこんなで美術館を出る頃にはちょうどよくお昼時。
最終目的地のラーメン屋、楓へ向かってひたすらに歩きます。
・北海道らーめん楓 横浜西口店:http://localplace.jp/t200320852/
来てから気づきましたが信心亭の近くでした。最後のボルカを買ったのが信心亭で、なんだか不思議な縁もあるなぁと味噌ラーメンをすする。
縁というと店の名前もそうですが、子供のころはラーメン食べるときはたいてい味噌ラーメンだったんですよね。周りは醤油とか頼んでる所、へそ曲がりだったからでしょうか。
ぼんやり考えを広げると、幼い頃に旅行で来た横浜で、これまた子供の頃からの趣味のカードゲームの大会に来て、長いこと触れてるアイマスコンテンツの、9割名前つながりだけで来た店で味噌ラーメンをすすっている現状に気づき。
ぐだぐだしたわりには収まるところ収まったような旅になっちゃったじゃないの、と少し笑ってしまいました。
横浜来たときにまた寄ろうと店を後に。
帰りの電車は爆睡してました。
8.目標の達成度について
旅が無事に(?)終わったところで、最初の目標3つについて。
・とりあえずドロップせずやり通す
達成しました。
同時にカナスレをフルで9回戦回しても身体がぴんしゃんしていたことは自信になりました。あとは勝つだけ。
身体づくり、睡眠、補給を怠らなければGPなんかも大丈夫そう。
ただ、今回割と長い期間やりこんでいたカナスレだからなんとかなった可能性はあります。
これが例えばスタンで新しいコントロールを組んだ、とかなるともっと消耗は増えるかも。
この辺り今後も「なにが原因で体調を崩すか」「パフォーマンス低下につながるか」は留意していきたいですね。
・トラブルや致命的なミスを起こさない
個人的にここは怪しかった点です。
9回戦の2本目と3本目の間、サイドチェンジ中に分割カードの《乱暴+転落》のみ上下逆さまに入っていたことが発覚しました(スリーブ内の上下は正しいです)。
慌てて対戦相手に報告したのですが、「大丈夫ですよ」とその場は流れ、3本目スタート。
終わってからもやもやしてジャッジに相談混じりに確認したのですが、
「特定のカードが区別の付く状態であったので、対応する場合はまずは正しい向きに直してシャッフルする(警告も確か出る)」
「その際、ゲームの勝敗に大きく関係したり悪質だと思われるものだった場合は重いペナルティ」
「今回は気づいたタイミング的に関係ないが、これがマッチ中気づいたのに黙っていた……となるとあとはわかるな?」
といった返答。
その試合中相手に《外科的摘出》を撃たれお互いに私のデッキの中身を見る機会があったのですが、お互いに気づいていなかったため、「やりがちなミス」止まりで流せるものではあるのかもしれません。(もちろんそうは捉えていませんが)
しかし、無理にジャッジを呼んでかえってトラブルになるのは避けたいという思いから試合中は流してしまいましたが、今振り返ると言い訳にもなりませんしジャッジを呼ぶべきではあったと思います。
原因としてはまず無地のスリーブを使っていたこと。
それから、おそらく頭は疲労していたことです。
疲労に関してはジョン・フィンケルにでもならないとおそらく克服は無理ですが。
スリーブの入り口などでも上下の判断はできますが、無地だとよく注意する必要があります。
まして疲労のある段階だと何が起きるかわかりません。
かつてアンヒンジドの基本土地を絵柄としたスリーブについて「脳がバグっていると本物と誤認しかねない」といった発言をみかけましたが、あながち笑い事でもないと感じています。
またサイドボードの戻し忘れが怖く、本来はメインに入っているものは、サイドボードにおいては逆さまにして管理をしていたのですが、なにかの拍子にごちゃごちゃになっていたりすると、今回のような事態を招く危険があるなとも感じました。
考えられる対策は、分割カードを用いる場合はなるべく上下のわかりやすいイラストのあるスリーブを使うこと。
インアウト枚数で想像する盤外戦術の存在を考慮すると、上記のサイドボード内での管理とは食い違いが生じそうですが、それはおいおい考えます。
イラストのあるスリーブはそれはそれで扱いに気をつける必要があるからと避けていましたが、分割カードの上下はただでさえわかりづらいもの。
脳がバグっていようともケアできる体制は作っておくべきだと感じました。
・宿をとる
次はもう少し治安のいいところを取りたいなと……今回のところも楽しかったのですがね。
レガシーのデッキを持ち込むには流石に……
旅行の計画ももう少し立ててから行きたいですね。
9.おわりに
反省点は多々ありますが、終わってみれば、旅に出てみてよかったなと。
得たものは多かったです。BMさんには感謝あるのみですね。
長々とお付き合いありがとうございました。
勝ったわけでもなし、計画性のあった旅行記でもなしといった記事ですが、楽しんでいただけたのなら幸いです。
出れるかはさておき、日本選手権(無事にPWP集まりました!)やGPに向けて練習するか、モダンをエンジョイするか……とはいえ年末の某太陽のお店の大会が次はおそらくスタンとモダンなのでエンジョイだけで完結するかという話ですが。
ではまた次の記事か、どこかの大会で。
4月29日に横浜の産貿ホールマリネリアにて開催されたBig Magic Sunday Legacyに参加してきました。
結果は4-5で特に書くことがないのもあって、今回は大会レポートというよりはそれを含めた旅行記です。
よっていつも以上に毒にも薬にもならない記事。最後までお付き合いいただければ幸いです。
1.事の起こり
ショックランド混じりでカナスレを回していたのですが、それが先日ようやく完成。
https://twitter.com/RUG_mtg/status/968520104995536896
滞っていた理由はデュアランの値段3割言語7割。軽い気持ちでイタ語沼にハマるんじゃなかったよ……でも安いしTerra表記わくわくするじゃん?
で、完成したら誰かにぶつけたくなってくるわけです。大会出たりフリーで知り合いにぶつけたりしていたのですが、ここにきてBMO開催のお知らせ。
https://mtg.bigmagic.net/article/bmovol10-coverage.html
国内では貴重な賞金制の大会&SCGInviへの切符というアメリカンドリームに溢れる(?)イベント。
それ抜きにしても、競技レベルで300人超え、スイスラウンドで言うと8~9回戦の大会は、特に下環境においては貴重な存在。規模だけ見たらあり得そうなのは晴れる屋TCの大会くらいでしょうか。
これまで経験したREL競技の大会はPPTQのスイス5回戦&SEが最大規模。また知り合いを見ていて、最近は「そろそろGPにも出てみたいなぁ」という欲求が出てきました。
PPTQ→GPへの橋渡しとしてBMOは申し分ない規模ですし、スイス9回戦をREL競技でやり抜くことで、自分の中でプレイの指標が作れるかなという考えがありました。
ましてレガシーのカナスレをフルでぶん回したとなれば多少の自信にはなるかなと。
2018年の下半期にはレガシーのGPが控えていますし、出るかはさておき流れとしてはベストな形。
そんなこんなでBMOへの参加を決意したのでした。
2.計画
無事にBMOへの申し込みが終わったところで、今回は以下の3点を目標に設定。
・とりあえずドロップせずやり通す
せっかく参加してるからというのもありますが、今回の主な目的はプレイの指標づくり。具体的には自分の体力の消耗具合やペース配分を把握することです。そのためにはドロップせず何が何でも食らいついていくのが不可欠。
もちろんペースの把握を初回で完璧に……なんぞ出来ないので、そちらはざっくりとした感じでもOKとしましたが。
・トラブルや致命的なミスを起こさない
コミュニケーションエラーだったり警告をもらったりだったり、そういったことがないように。プレイミスは大なり小なりゼロにはできないのでここには含めません。
9回戦のイベント自体初なので、少々発展的な目標にはなりますが、普段から心がけてはいるので改めて。
・宿を取る
目標というか実行して現実のものにしてはいましたが。
早起きして電車に飛び乗れば行けなくはない距離なのですが、寝坊やGW混雑による電車遅延で遅刻するリスクが気になったのがまず1つ。
次に体力面を考慮すると、なるべく消耗を少なくする選択をしたかったのが1つ。
そしてお恥ずかしい話、「他人の付き合いで乗っかる以外で旅行に行ったこと」がほぼ皆無で、自分でサイト比較して宿を予約したりといった経験がほぼ皆無だったのが1つ。
思い返してみると大抵親に引きずられていった家族旅行だったり、友達に任せきりの旅行だったんですよね……これまで旅したのって……
さすがにそろそろ経験しておきたい、旅行に関するあれこれを全部やってみるか、と。GP出るならどうせ必要になってきますし。
ついでにちょっぴり旅行気分でも味わえたらなぁと。
3.1日目
で、横浜入り当日。
途中秋葉原に寄ってお守りとしてカバンにぶら下げる用の高垣楓さんのキーホルダーを購入。アキバの空気が好きで、英気を養いにぶらつくついでに。
脱線するんですが私『アイドルマスター』というコンテンツをそこそこの長さゆるりと追いかけていまして。
デレマスの担当は渋谷凛ちゃんと橘ありすちゃんなのですが、デレステで楓さんの限定SSRがなぜか揃ってしまったことから彼女にハマりつつ。
え、担当アイドルじゃなくてなんで彼女をお守りに選んだのかって?
いやほら、Canadian Thresholdじゃないですか。カナダですよカナダ。国旗国旗。
……ね?
……こんなんだからこの酔っ払いが揃ってしまったのかなぁ。
彼女ものすごくダジャレ好きなんですよ。ものすごく。ものすごく……
●本日のお宿
閑話休題。京浜東北線に揺られ、石川町で降りる形で横浜入り。
本日のお宿はホステルZenというところ。宿に向かってとことこ歩いていきます。
・公式サイト:http://zen.ilee.jp/
・内装なんかを紹介したのがこちら:http://hamarepo.com/story.php?story_id=3341
「どうせ帰って寝るだけだし、狭いところ落ち着くし、個性的な内装は気にならんな」とリザーブ。朝食ついてたのも評価点。
ですが地図等をチラ見して勘のいい方は「Oh……」となるかもしれません。こちらのホステル、なんと日本三大ドヤ街が1つ、寿町のど真ん中に立地。
三大のうち1つに大阪・あいりん地区こと西成があると書けば何かを察してもらえますかね。私は予約してから調べて気づきました(白目)
「お兄さん何も知らずにこの街に来たのかい!運が悪かったなぁへっへっへ……」
なんてRPG的不穏インシデントに、平成も終わりに差し掛かった頃になって遭遇するなど……自らの無知を呪い内心頭をぽかぽかしつつ街を歩いていました。
とはいえ実際歩いているとそこまで治安は悪くなさそうな。
数年前には殺人事件も起きたりしたみたいなんで別に良いわけではないでしょうけれど、滞在中にトラブルを見かけたり巻き込まれたりもありませんでした。
暗闇からおっさんが突然現れて目の前を通り過ぎ、無言で驚いたりしたのはぽこじゃかありましたがね。
夜はとにかく暗い。明かりが少ない上に、絶妙に死角が多いから謎の緊張感があります。
松影町2丁目の交差点過ぎたら街の様子と空気と自販機の値段が一変するので、何も知らずに行っても「おや?おやおや?」と違和感は覚えそう。
そんなこんなでとぼとぼ歩いて宿に到着。本館と別館とあるうちの本館でした。
駅からは道がわかりやすく距離も近かったのは嬉しい。こればっかは実際歩かないとなんともわかりませんし。
受付は5階。エレベーターは(多分)なし。4~5階の階段の壁にめちゃめちゃ昆虫の標本貼り付いてて、街中よりもこっちの方が驚いたという余談。
受付で料金をまとめて支払い、泊まる部屋の鍵を受け取り。この鍵は出かける際返したりせず、期間中は宿泊者管理で持ち歩く形になるとのこと。
門限もなく(そもそも宿の入り口に扉がない)部屋というか住まいを借りてる感がすごいです。
トイレやシャワー、洗面所は階の真ん中や端の方に存在する形で部屋の外で共同となっていました。ウォシュレットついてたのが嬉しい。
台所と冷蔵庫もあって、料理しても良いとのこと。調味料は好きに使えってのがすごいなぁ……
ビジネスホテルとかカプセルホテルに泊まった経験はありますが、この手合いは初めて。気づいてなかっただけであるいは既に、という可能性もありますが。
堅牢なドアを開けて入った部屋の中は、手狭なところにベッドがどーん。壁にテレビ。小さい机。終わり。Wi-Fi飛んでるのもあって、娯楽には不足しませんでした。
窓からの風景は端的にいうと『空の境界』の『俯瞰風景』です。劇場版。別の宿泊施設の利用者が洗濯物干してるのがバッチリ見えたり。
アートに溢れる部屋もあるようなのですが、今回は普通の内装でした。内装気にならないのですが、なんだか少しだけ残念。
個人的にはこういう所好きなので結構満足してますが、他の人にオススメするかと言われると(街の空気含めて)人を選ぶのは確かなホステルでした。多分この文章読んで「俺もいけそう!」ってなる人は大丈夫なんじゃないかな。
まぁでも街の空気的にレガシーのデッキ抱えて行く場所でないのは確かでしたがね……
●風呂を探せ
シャワーはある、と書きましたが、どうやらコインシャワーの模様。
旅先でコインシャワー入るくらいなら、と銭湯を探して行くことに。
話は前後しますが、家を出る直前に謎の電波を受信しタオルや寝間着をつめこみ、コンビニや薬局に寄って携行用のシャンプーとか必要そうなものを購入していたのですが、宿着いてからドンピシャで役に立ってたことがわかって我ながら謎の感慨に。
いや自分で前もって調べとけよって話なんですがね。うっかりしていました☆
結果的に問題ないからオッケーオッケー。
で、銭湯どこじゃ、そもそもあるんかなと宿のWi-fiに乗って存分に検索エンジンをぶん回していました。
最初に見つけたのはこちら。
・翁湯:https://k-o-i.jp/koten/okinayu/
勤労福祉会館の中に入ってるってなんかもう立地からしてすげぇなって感じですが、近いしいいやと半ば思考放棄気味に必要なものだけ持って宿を出発。
スクショした地図をもとに歩いていたのですが、おかしい、ちっとも見つからない……
不審に戻って一度宿に戻って検索。月末久々にひっかかった通信制限が完全に足かせに。
文明の利器におんぶにだっこな我が身に涙しつつ検索エンジンをブンブンしていたら、なんか建て替えに伴う移転と取り壊しとか出てきたんですがどういうことなの……
http://www.yokohama-kotobuki.or.jp/%E5%AF%BF%E7%94%BA%E7%B7%8F%E5%90%88%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%A6%8F%E7%A5%89%E4%BC%9A%E9%A4%A8%E3%80%80%E5%BB%BA%E6%9B%BF%E3%81%88%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/
思ったより情報の密度があったことにくらくらしつつ、見切りをつけて次の場所へ。
・恵びす温泉:https://k-o-i.jp/koten/ebisuonsen/
駅挟んで反対側なのですが、そこまで距離も離れていないし道も入り組んでいないしで無事に到着。
入り口の券売機で入浴券購入、靴箱の鍵と入浴券を渡して脱衣所のロッカーの鍵を受け取り……という流れでいざ入浴。
4月の終わりだというのにやたらと暑かったからか、風呂上がったときのさっぱり感たるや。
明日もこの調子なのかしら、と昏い考えが頭をよぎりましたが……途中で夕飯食べに中華料理屋入ったりしつつ宿へ帰還。
デッキ組んでリスト書いて就寝。そのあたりは後ほど。
4.2日目:朝
デッキ組んで布団入ったのが1時、寝付けたのがおそらく2時くらいだったのですが、明るくなってきた6時半ごろに起床。
無事に0回戦は突破。とはいえ睡眠が足りてるんだか足りてないんだかという目覚め。
朝食は食パン(食べたい枚数をトースターで焼いて渡してくれます)、バナナ、ゆで卵にコーヒーというラインナップ。2日間これだったので多分この宿毎日これですが、日頃の朝食がシリアルに牛乳かけるくらいの私からしたら僥倖でしかない。
もさもさ食って部屋に戻り、支度して出発。
途中コンビニに寄ったり自販機で飲み物や軽食を調達。
自販機めちゃめちゃ安かったのは助かりましたね。朝に宿出てその日の飲料を調達するとき、安さと手軽さが嬉しい。
まぁ朝から街の空気は不穏……っていうか、明るくなっていろいろ見える分むしろ夜のほうが怖くなかった気がするぞ……?
昼間から地べたに座ってカップ酒をあおり……というのが起きてても違和感なさそうな異邦感。というか実際昨晩カップ酒の瓶にけつまづいたし。
ところでお守りに買ってカバンにぶら下げてた楓さん、めっちゃ笑顔でビール持ってるんですよね。
https://www.gamers-onlineshop.jp/pn/%E3%80%90%E3%82%B0%E3%83%83%E3%82%BA-%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%80%91%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A5%E3%80%80%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%80%80%E3%83%87%E3%82%AB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%80%80%E9%AB%98%E5%9E%A3%E6%A5%93%E3%80%80%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E3%81%AE%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%A8%E3%81%8Dver./pd/10312984/
この街をこれぶら下げて歩くってなんの因果でこうなってるんだ。
旅ってこんなもんのが楽しいよな、と割り切って苦笑するしかない。
まあ全部己の招いた結末なんですけどね。
中華街を抜けていくのが早かったので朝方の中華街を歩いて会場となるマリネリアを目指します。
流石に営業してる店は見かけませんが、これが夜になると人で賑わうのか……と考えると、なんだか少し楽しみが増えた気もしつつ。
門の名前や交差点を手がかりに、特に迷うこともなく会場へ着地。
通信制限下でもペアリングアプリが動くのかしらと心配をしながら、BMマンからもらったアメを舐めたりして暇をつぶす。
ペアリングアプリ自体はいつぞや割と炎上してたのがウソのように(というかそうでないと困る)便利でした。
まぁその一件があったせいか、ジャッジ等のアナウンスで「大変便利な」と入った際に会場からちらほらと微妙な笑いが出ていましたが。
通信制限下で動いてくれたし今後も頼むぜ、という思い。
5.2日目:大会編 ~デッキについて
成績はともかく、大会参加レポなのに使ったデッキについて何も書かないのもなぁ……ということで。
●構築よもやま話
全くの余談なのですが、構築フォーマットについて私は大会前日の夜になってから実際にデッキを組み始めることが多いです。それまでは構想を練ったり大会の上位レシピを眺めて、気になったものや気に入ったものをピックアップしておくくらいにとどめがち。
よくわからない弁明をすると、別にヤソごっこしてるとかじゃなくて自然とそうなっちゃったんです。
今回のカナスレもその例に漏れず。ただレガシーでは現状これしか使っていないのもあってメインボードはすでにほぼ完成していました。その分サイド組むのに2時間かかりましたが。
●使用リストと戦績
閑話休題。
それぞれTwitterから引用。
リスト:https://twitter.com/RUG_mtg/status/990865152877641728
戦績:https://twitter.com/RUG_mtg/status/990572303967649792
リストについて不足は感じませんでした。不足があるとすれば、私の知識と技量。つまりはやり込みです。
エルドラージ、ペインターは相性以前にそれらを特に痛感しました。相手が何をしてくるかがふんわりとしかわからないため適切なサイドボードやその後のプラン立てがしづらく、さらにはなぜ負けたのか分析もしづらい。
これはグリデル戦はじめデルバーミラーも然り。
URデルバーは知識がすでにある程度あり、実際の試合もトップ勝負にもつれ込んで僅差で負けといった形を2回だったのでやむなしという感想ですが、グリデルについては対戦経験の少なさが歯がゆい。精進せねばなりません。
リストに不足を感じないのも、知識不足が原因となって正確に判断が下せていない可能性がありますしね。
しかし、これだけ課題が多いフォーマットであることを痛感しても、不思議と爽やかな気持ちでいられました。
負けた理由の分析をするためにもやりこまなくてはわからないレガシー、奥深さと面白さに溢れています。やっていて常に感じるのは、マジック始めたてのあの頃の、何もかも新鮮でただ知識と体験を貪る楽しさ。
あとは上がるだけです。
●メインボード
特筆することは《電弧の痕跡》、クロックの選択でしょうか。
具体的には「タルモゴイフは必要か否か?」。
・《電弧の痕跡》
第10回のレガシー神決定戦の記事(http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/4947)、またTwitterのフォロワーとのやりとりを経て採用してみましたが、2018年4月現在の環境にはかなりマッチしていると感じました。
主な役割は1:2交換。カナスレで貴重なアドバンテージを稼ぐカードです。
同様の役目を担っていた《二股の稲妻》も《火+氷》も、個人的には今ひとつ足りない感覚を抱いていたのもあり、2点+1点という割り振りができるのは見た目以上に強く感じました。
注意すべき点は、同一の対象に3点は飛ばせず、最悪自分自身を対象にとる必要もある点。BMOでは相手本体に2点、自分本体に1点というのを実際にやりました。
使っていてあまりにもハマるし気持ちがいいので2枚くらい欲しくなるのですが、必要悪的に《四肢切断》を取らねばなぁという思いもあり、結果的に1枚のみの採用に。
・タルモ必要or不要論
近年では《わめき騒ぐマンドリル》や《真の名の宿敵》といった代替として申し分ないクロックの出現、《致命的な一押し》の登場から、ことカナスレにおいてタルモは必ずしも必要なカードではなくなり、採用の是非については議論が続いています。
MTGGoldfishに掲載された以下の記事はこれに関する事項(クロックそれぞれのメリットやデメリットなど)をだいたい網羅しています。
個人的には「全てはメタゲームさ」としか言いようがないと感じていますが、ここしばらくはせっかく買ったという情を抜きにタルモを採用しております。
理由は「枚数が取れる」ため。
《わめき騒ぐマンドリル》は4/4というサイズとトランプルから、甘えたブロックを咎めタイトなライフレースを押し付けていく強みがあります。
CMC的に《致命的な一押し》や《突然の衰微》が効かないことから、BUG系ミッドレンジを始めとするクリーチャーデッキ全般にライフレース面で優位に立ちやすく、実際に以上の点から勝ちを拾った試合もあります。
しかし、《敏捷なマングース》との共生を考えると積極的に複数枚の採用はしづらく、空いた穴を必然的に《真の名の宿敵》や追加のスペルで埋めることとなります。
前者はサイドボードにて採用率の高い《乱暴+転落》と衝突し、前者も後者もクロックの重さから着地、ゲームエンドまでに遅れが生じる恐れがあります。
《タルモゴイフ》はそういったデッキ内でのコンフリクトとは無縁で、《グルマグのアンコウ》やエルドラージ系のサイズの大きなクリーチャーと対等かそれ以上に渡り合うことも可能です。
4枚採用も難しくなく、複数枚横に並べてアグロ気味にゲームを支配していくプランも取りやすくなります。
私見ですが、カナスレは一般に言われる「マナ否定やカウンターで蓋をしつつ、優秀なクロックでアンフェア気味にゲームを終わらせるデッキ」であることに加え、テンポデッキという性質から「軽量ドローを中心としてアグロ、ミッドレンジ、コントロールプランを自在に使い分ける理論上最強デッキ」でもあると捉えています。
そのためアグロ、ミッドレンジ、コントロールとどのプランを取るにも無理のないゲーム展開がしやすく、何にでもだいたい強い《タルモゴイフ》がクロックとしてふさわしいと感じました。
ただ、重ねてになりますがこれはメタゲーム次第で変動しうると考えています。
《わめき騒ぐマンドリル》も《真の名の宿敵》も、ライフレースという観点から「マナ否定やカウンターで蓋をしつつ、優秀なクロックでゲームを速やかに終わらせる」というカナスレのコンセプトに沿っているのは確かですし、先述の通りタルモとは全く異なる性質、独自の強みを持ちます。タルモにも弱みはうんとありますし。
サイドボード構築を含めてどういった選択、ゲームプランニングをしていくかは入念に検討する必要があり、要不要は一概に断言できないことも事実です。
●サイドボード
ザ・日和見2000。浅く広く作りました。いくつかピックアップして詳しく。
・置物破壊
私見では茶破壊は理想的には3枚、最低でも2枚あればよいかなと。
エンチャントはそもそも打ち消さないと即死するものしかないので割るという考えがありません。独楽がBANされてからは《相殺》もあまり見ないですし、《相殺》自体メインの《呪文嵌め》やサイドの《紅蓮破》の当てどころで、そもそも奇跡相手に相性が良いと考えているのでスルー可能レベル。
今回は1枚を《炎の印象》とすることで、デルバー系へのガードを上げつつタルモのサイズ確保を狙いました。
また、《削剥》と《古えの遺恨》を1:1に散らすことでさらに浅く広くし、苦手なデスタク系へのin枚数とガードは落とさず構築。
《硫黄の精霊》なんかを取るか悩みましたが、3回戦で勝ちを拾えていますし、9回とも異なるデッキと当たっていることから結果論としてはこれで良かったかなと。
ちなみに2時間かかった原因の3割。
・《炎の印象》
言われるまで気づかなかったのですが死儀礼に抜かれないことから採用(あほ)。タルモが育ちやすくなります。
追加の除去枠としてはたいてい《渋面の溶岩使い》が優先されますが、マングースとのアンチシナジーや、そもそも真っ先に除去飛んできて安定して機能しない点が気になっていました。
素直に打ち消しと入れ替えるとデルバーのひっくり返る確率は微妙に下がりますが、そもそも彼を確実に変身させる手段自体が……ということでそこは妥協。
・《発展の対価》の採用
タルモが弱点となるのはBUG系を始めとするデッキ。またエルドラージや土地単相手に無理やり押し込んで相性やゲームをひっくり返すカードとして、お守り気味に採用。
2時間かかった原因の6割。
この枠を《硫黄の渦》などを取ってコントロールに更に強くするか、《硫黄の精霊》や追加の打ち消しを取って負けにくい相手を作るか……といったことを延々と悩んでいました。
どうせトップメタはグリデル想定なので、グリデルを狩りに来ているデッキで何が多いかをうだうだと悩んだ挙げ句寝る時間になり、「よくわからん」と逃げの一手でお茶を濁した形。
結局一度も引かなかったのですが、上記を取っていてオーバーサイドボードになっていたら……と考えると、逆説的に正解だったのかなぁとは。
2時間のあと1割は枚数確認とか諸々。
6.2日目:夜 ~祭りのあと
そんなこんなで4-5。エルフかURデルバー戦のどちらかで勝てていれば……などと多少考えはしましたが、考えたところでどうなるでもない話。
全敗も割と起こすので、初めて競技レベルのレガシーに出て、この成績ならまずまずかなと。
現地で一緒になった知り合いに時々マッチ後の反省会に付き合ってもらったりもしたのですが、プレイ面やサイドボードで明らかなミスをしていないっぽかったですし。
ちなみにその知り合いはマネーフィニッシュしてリストがネットの海に乗りました。日頃からクソうまいなこの人って感じなので特に驚きはしませんでしたが。
これから詰められるところがまだまだあるなぁということで今回のBMOは終了。勝っても負けても楽しい時間でした。ありがとうBIG MAGIC。
そうそう、普段は大会終わると肩こりと頭痛と疲労で死にかけてるんですが、今回9回戦ほぼフルマッチもつれこんでるのにぴんしゃんしていました。
理由を考えてみたんですが、最近少し運動したり体を鍛え始めたのと、睡眠と当日浴びるように水とスポーツドリンクを飲みまくっていたからかなぁと。
毎ラウンド終わるたびに500mlのペットボトルがほぼ1本空くペースで消耗と補給を繰り返していました。会場の席配置のせいかレガシー側がすごい気温になっていたらしいのもあるのかなとは思うのですが、ドロップして人が減った後半でも補給ペースはあまり衰えず。
補給と体作りと休養。「私に足りてなかったのはこれか!!」という気づきを得たのは今回の旅の大収穫でした。およそカードゲームらしい要素ではない気もしますが。
補給というと、松屋が来ていたのも大きかったですね。カロリーと血糖値と幸福度をありがとう。チョコレートバーとかおにぎりだけだとやはりその辺キャップを感じてしまうタイプなので、肉が食えるのはとても嬉しかったです。
で、慰み半分にせっかく物販来てるし覗かないわけにも行くまい!と気持ちを切り替えお買い物タイムへ。体も元気だしね。
実はラウンド間でもちょこちょこ覗いていたのですが、買うか迷っていたものはだいたい品切れてしまっていました。とほほ。まぁ念のため持っておきたいなくらいだったので買えなくても……という感じだったのですが。
なにかないかしらとファイルをめくっていたところ、なんとSCG謹製、Caleb Schererのストームカウンタートークンを発見!!
Caleb Scherer氏はSCGを中心にモダン・レガシーでストームデッキを回し続ける達人で、彼がSCGの招待制大会、SCGInviを優勝した記念として作成されたのがこのトークン。Twitchで精力的にMO配信(日本時間だと真夜中ですが)をしていたり、サイドボードの記事を書いたりなど、実力も相まってストームを学ぶならまずは、と支持されているプレイヤー。あと猫好きです。飼い猫の写真がたまにTwitterに上がるんですがこれがすごく可愛いの。
一時期モダンでストームを練習していた時期があり、またどうせレガシーなら相手のを数えるのに使うから持っててもよいかと探していたのですが、モノがモノで晴れる屋すら取り扱っていない模様で中々見つからず。それがこんなところで出くわすとは!
もちろん即座に購入。これを逃したら次はない予感しかないしな!
あとはガラガラでも回そうかなと。モダンもレガシーも新しいデッキを組んだり足りないカードを買ったり、といったことがないので。こういう機会しか中々楽しめないものですよね、これとかクジとか。機会というより中身的に。限定って言葉に弱い人種なんです。
「BMさんのサプライおしゃれなの多いし、だいたい何出ても嬉しいな」ってことで1回回した所、Rebecca Guayのデッキケースをもらいました。
やたらとでかい。「今日のFNMはモダンのアブザン連れて行って《未練ある魂》いっぱい並べよ!」ってときにちょうど良さそうなサイズ感です。多分ぜんぜん伝わらないとは思いますが。
3重スリーブくらいでも余裕で行けそうなサイズなので、需要ありそうだしこれむしろ店売りするべきなんじゃ?とはちょっと頭をよぎりましたが、世の中そんなに物が簡単に売れないんだろうなぁ。権利的なものとかもあるのかしら。
会場でやることなくなったあたりで、今日中に電車で帰るという件の知り合いとともに駅へ。途中までは一緒だし、と。
その後一旦宿に帰って荷物を入れ替え、昨日同様風呂と晩飯を求めに出発。
せっかくだしなーと中華街で手頃な値段の店に入りました。事前に調べておくのも良かったかな。
最悪コンビニ弁当でもいいかという考えだったのですがあまりにも無軌道すぎた。
銭湯では1日目は気づかなかったのですが、男湯と女湯の入り口の間に階段がありました。
上がるとリラクゼーションスペースみたいになっていて、脇に2台のマッサージ椅子が。
10分200円。課金して体をほぐす。
なんかバリバリゴリゴリ鳴ってたんですけど私の体どうなってんだろ。
すっかり休養旅行にきたような気持ちになりながら宿へ。
海が近いからか空気が心地よいです。そういや会場からも少し出れば海がバッチリ見えたなぁ。
泥のように眠る……ということもなく、ぼんやりとTwitter眺めたり深夜番組眺めたりしつつ、眠くなってきたところで就寝。
7.3日目
大会は終わりましたが旅はもう少し続きます。
まぁ無軌道旅行なので、大した続きでもないのですが。
昨日の帰り道で知り合いから「“楓”って名前のラーメン屋が横浜駅の方にあるぞ」という情報を入手していたので、まぁこれも何かの縁と昼食はそこにしようと決めていたものの、それまで何をするかが全くの無計画。
赤レンガ倉庫やカップヌードルミュージアムがマリネリアから割と近くにあったのですが、内容的にふらっと行くところでも一人で行くところでもなさそうな印象。
加えて幼い頃に横浜には何度か旅行に来ており、みなとみらいや中華街といったメジャーなところは既に経験済み。
新しいところにいくのと改めてもう一度いくのだと、余程でない限り前者を選びがちな私。行く場所のなさに悩むというおそらく旅行にあるまじき苦しみを味わっていました。
結局「横浜の風が気持ちよかったし、海ももう少し見たいなぁ」という何も生産性のない考えから「赤レンガ倉庫周辺→汽車道→横浜駅方面と単に散策しながらなにか見つければいいか」というふんわりキープ基準で宿を出発。
ちなみにこの時点で確か大体8時くらい。
どうせチェックアウト10時で少しでも伸びるとお金かかるので、早く出るかという気持ちだったとはいえガバキープの予感がする。
横浜の港町感を楽しみながら上記のルートをぶらぶらしていたところ、案内看板に横浜美術館の文字が。
横浜美術館:http://yokohama.art.museum/
美術館か!美術館なら一人でも楽しめるぞ!大抵は特別展もあるし!!
とウキウキしながら歩いていったところ、特別展はどうやら現在ヌード展を……
ヌード……ヌード!?
あぁ私が浅学なばかりにヌードさんという作家がいるのを知らなかったんだと《思案》して考えをシャカシャカして現実から逃げていたのですが、そんなことはなく普通に裸の方のヌード。
開館時間は10時、現在時刻は9時半ジャスト。
いかん、私これでは息を切らせて(※ぶっ通しで歩いてて荷物の量があったからです)HADAKA☆目当てにフライングした残念なおっさんに見えやしないかこれ……?
ちくしょうやっぱりガバキープだったじゃねぇか!!
っとはいえ行く宛もなし、なんでこんな展示をやってるんだと気になったので覗いてみることは決定。
問題はどこで時間を潰すか。少なくとも30分前から並ぶ熱心な客ごっこをできる身分ではなし、GWの朝9時台に開いてる店なんてコンビニか喫茶店か……
と周りを見渡していたらTSUTAYAに併設される形でスタバを発見。
コンクリートジャングルにオアシスはあったんだ!!トップドローでガバキープ解決!!優勝!!
と駆け込むも、もちろんそんなはずはなく。
休日のこの時間なのにそこそこ混んでる。
TSUTAYA内の本を持ち込んで読んで良い形式のところだったみたいですがそれで混んでるのか?祝日の朝から?
前に並んでるご婦人は「キッシュが冷めちゃうでしょ」と店員にコーヒーはよ出せと静かに圧をかけて急かす。
やっぱりガバキープだったじゃないか今朝の自分よ……
まぁそんなこんなで精神をすり減らし、開館とほぼ同時に美術館内へ。
受付のお姉さん、私が「特別展のチケットを1枚」とぼかしたのを、よくは聞き取れなかったのですが「はい、ヌードですね」と話していたような……
いつから……人間の耳と心は汚れて……
違うんだ、私はそんなつもりでヌードを見に来たんじゃないんだ……
ちなみにというか美術館の名誉のためにというか、展示自体は思わず図録買うレベルに結構面白かったので興味があればぜひ。
ロダンの彫刻がメインっぽいんですが、迫力と色気がすごくて老若男女問わずみんな見入ってました。
・公式サイト:https://artexhibition.jp/nude2018/
時代とともに変遷するヌード表現への向き合い方、あるいはその表現の扱われ方みたいなのを紹介してたんですが、知ってる名前も知らない名前も出てきたりして度々驚かされます。
毎年やってる?のかな?今年は英国テート美術館からやってきたみたいですが、来年どんなものがやってくるかはちょっと気になる。
常設展示も同じチケットで行けたので、暇つぶしのつもりで入ったのが申し訳なくなるくらいにはエンジョイしてました。
……30分前から並んでても良かったんじゃないかな。結果論だけど。まあでもビル風強かったしなぁ……
そんなこんなで美術館を出る頃にはちょうどよくお昼時。
最終目的地のラーメン屋、楓へ向かってひたすらに歩きます。
・北海道らーめん楓 横浜西口店:http://localplace.jp/t200320852/
来てから気づきましたが信心亭の近くでした。最後のボルカを買ったのが信心亭で、なんだか不思議な縁もあるなぁと味噌ラーメンをすする。
縁というと店の名前もそうですが、子供のころはラーメン食べるときはたいてい味噌ラーメンだったんですよね。周りは醤油とか頼んでる所、へそ曲がりだったからでしょうか。
ぼんやり考えを広げると、幼い頃に旅行で来た横浜で、これまた子供の頃からの趣味のカードゲームの大会に来て、長いこと触れてるアイマスコンテンツの、9割名前つながりだけで来た店で味噌ラーメンをすすっている現状に気づき。
ぐだぐだしたわりには収まるところ収まったような旅になっちゃったじゃないの、と少し笑ってしまいました。
横浜来たときにまた寄ろうと店を後に。
帰りの電車は爆睡してました。
8.目標の達成度について
旅が無事に(?)終わったところで、最初の目標3つについて。
・とりあえずドロップせずやり通す
達成しました。
同時にカナスレをフルで9回戦回しても身体がぴんしゃんしていたことは自信になりました。あとは勝つだけ。
身体づくり、睡眠、補給を怠らなければGPなんかも大丈夫そう。
ただ、今回割と長い期間やりこんでいたカナスレだからなんとかなった可能性はあります。
これが例えばスタンで新しいコントロールを組んだ、とかなるともっと消耗は増えるかも。
この辺り今後も「なにが原因で体調を崩すか」「パフォーマンス低下につながるか」は留意していきたいですね。
・トラブルや致命的なミスを起こさない
個人的にここは怪しかった点です。
9回戦の2本目と3本目の間、サイドチェンジ中に分割カードの《乱暴+転落》のみ上下逆さまに入っていたことが発覚しました(スリーブ内の上下は正しいです)。
慌てて対戦相手に報告したのですが、「大丈夫ですよ」とその場は流れ、3本目スタート。
終わってからもやもやしてジャッジに相談混じりに確認したのですが、
「特定のカードが区別の付く状態であったので、対応する場合はまずは正しい向きに直してシャッフルする(警告も確か出る)」
「その際、ゲームの勝敗に大きく関係したり悪質だと思われるものだった場合は重いペナルティ」
「今回は気づいたタイミング的に関係ないが、これがマッチ中気づいたのに黙っていた……となるとあとはわかるな?」
といった返答。
その試合中相手に《外科的摘出》を撃たれお互いに私のデッキの中身を見る機会があったのですが、お互いに気づいていなかったため、「やりがちなミス」止まりで流せるものではあるのかもしれません。(もちろんそうは捉えていませんが)
しかし、無理にジャッジを呼んでかえってトラブルになるのは避けたいという思いから試合中は流してしまいましたが、今振り返ると言い訳にもなりませんしジャッジを呼ぶべきではあったと思います。
原因としてはまず無地のスリーブを使っていたこと。
それから、おそらく頭は疲労していたことです。
疲労に関してはジョン・フィンケルにでもならないとおそらく克服は無理ですが。
スリーブの入り口などでも上下の判断はできますが、無地だとよく注意する必要があります。
まして疲労のある段階だと何が起きるかわかりません。
かつてアンヒンジドの基本土地を絵柄としたスリーブについて「脳がバグっていると本物と誤認しかねない」といった発言をみかけましたが、あながち笑い事でもないと感じています。
またサイドボードの戻し忘れが怖く、本来はメインに入っているものは、サイドボードにおいては逆さまにして管理をしていたのですが、なにかの拍子にごちゃごちゃになっていたりすると、今回のような事態を招く危険があるなとも感じました。
考えられる対策は、分割カードを用いる場合はなるべく上下のわかりやすいイラストのあるスリーブを使うこと。
インアウト枚数で想像する盤外戦術の存在を考慮すると、上記のサイドボード内での管理とは食い違いが生じそうですが、それはおいおい考えます。
イラストのあるスリーブはそれはそれで扱いに気をつける必要があるからと避けていましたが、分割カードの上下はただでさえわかりづらいもの。
脳がバグっていようともケアできる体制は作っておくべきだと感じました。
・宿をとる
次はもう少し治安のいいところを取りたいなと……今回のところも楽しかったのですがね。
レガシーのデッキを持ち込むには流石に……
旅行の計画ももう少し立ててから行きたいですね。
9.おわりに
反省点は多々ありますが、終わってみれば、旅に出てみてよかったなと。
得たものは多かったです。BMさんには感謝あるのみですね。
長々とお付き合いありがとうございました。
勝ったわけでもなし、計画性のあった旅行記でもなしといった記事ですが、楽しんでいただけたのなら幸いです。
出れるかはさておき、日本選手権(無事にPWP集まりました!)やGPに向けて練習するか、モダンをエンジョイするか……とはいえ年末の某太陽のお店の大会が次はおそらくスタンとモダンなのでエンジョイだけで完結するかという話ですが。
ではまた次の記事か、どこかの大会で。
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