――あくまで、イチ週末カジュアルプレイヤーの戯れ言です。

おはこんばんにちわ。
前回のデルバー記事の後、「受ける」フェアデッキだけでなく「攻める」アンフェアも回そうとアドグレイスを組みました。次はこいつで記事を書きたいなぁと思いながら中々対戦経験が踏めず、ずるずる経過して今に至ります。
じゃあ今回は何の話だ?というと、BFZ~AKHスタンにおける赤単『ラムナプレッド』に関した&スタン人口増加を目指した記事になります。

はじめに ~ハゾレトとチャンドラの無い赤単ってどういうことだ
さて本題へ。タイトルの通り、ハゾレトとKLDチャンドラを抜いた赤単ってなんだよ、と。

「いやいやお前、ハゾレトとKLDチャンドラって今の赤単のキーパーツじゃん」「勝てんのかそれで?」というご指摘はごもっとも。
というか先に申し上げますとハゾレトとチャンドラがあった方が絶対に強いです。絶対に。

ですが、ハゾレトとチャンドラを抜いた赤単でも案外戦えます。正直実験台になった私本人が赤単のパワーに驚いているのですが。
具体的には「19人参加のゲームデー、スイス5回戦SE3回戦でスイス5位」、「赤単をメタったデッキ相手にも勝てた」といった感じ。

そして、ハゾレトとチャンドラを抜いた赤単をこうして紹介する最大の理由は、「スタンをやる人口が増えれば」というものです。
……まぁ週末カジュアルプレイヤー故に、小規模ゲームデーとはいえ「Top8」という響きに舞い上がり、承認欲求からこんな記事書いてる節はありますが(え)。

「1デッキに10万」、「ギデオンあらずんばデッキにあらず」、「不愉快BANや手のひらクルフィックスBAN」、「メンコ:ザ・ギャザリング」……
もはやそうした芳しくない話題にばかり富んだ時代では無くなったのでは?と最近は考えるようになりました。
現実の大会でもMOでも様々なデッキが勝ちあがっています。白単モニュメントや緑白猫など、安め&強いデッキも出てきました。
破滅の刻を経て、スタンは今、良い環境になってきていると感じています。

また、ハゾレトとチャンドラの全く無い赤単、それはつまり「高額カードを含まない、安めの赤単」になります。
下世話な話にはなりますが、金銭コストは確実に参入する上でのボトルネックになりやすいです。

「スタンからMtGを始めたい」人以外にも、スタンに手を伸ばしたい、あるいは既にやっていて「アグロをやってみたい」、「赤単が気になる」、「でもハゾレトとチャンドラに手は伸びづらい……」と感じている人。
そういった様々な人の力になれればと思い、主観100%で、この記事を書きました。

……正直、勝てるかどうかは二の次なデッキの紹介記事です。
こういうものもあるのだなと、頭の隅に置いていただけるだけでも幸いです。

最後までお付き合いいただければと思います。


リストと解説
では解説へ。個人的な最終版がこちらとなります。

デッキ名は「Godless Red」。そのまんまです。
https://twitter.com/RUG_mtg/status/894449065504538624

ゲームデーで私が用いたリストは以下のものになります。
https://twitter.com/RUG_mtg/status/894160693997338624

リプライ欄からたどれるかと思いますが、戦績はこちらのURL。
https://twitter.com/RUG_mtg/status/894161589904986114

見ていただければわかる通り、PTTop8入りした藏田さんタイプの赤黒アグロに勝ち星を拾ったり、黒緑にストレート勝ち出来ています。メインで先手が取れたのは大きかったと思いますが……
初戦の黒単エルドラージに関しては「赤単に負けたくないと思って」とメインから才気ある霊基体が飛んできたりカリタスがガン積みされていました。

負けた2戦は「空中対応員や陽光鞭の勇者の入った白単」、「除去ガン積みのコントロール気味赤黒ミッドレンジ」でした。
白単は相性を覆しづらい印象ですが、赤黒ミッドレンジ相手にはSEにてメインを拾えており、もしかすると……といった感じです。
詳しい対戦内容は割愛。気になる方はぜひコメントいただければ。


リストに関しては、PTTop8入りしたSamuel Blackの赤単がひな型となっています。
参考:プロツアー『破滅の刻』 トップ8プレイヤーデッキリスト(スタンダード)http://coverage.mtg-jp.com/pthou17/decklist/019330/
ハゾレトとチャンドラを抜いているので、ひな型として引用するのは気が引けるのですが……


ゲームプラン
ハゾレトとチャンドラの無い穴をどうやって埋めるのか。
彼女たちの役割について考えてみると、
ハゾレト:破壊不能と速攻で強引に殴り、甘えたブロックを許さない。腐った手札と持て余したマナを火力に変える。
チャンドラ:着地すればケンラの永遠能力起動が大体確定。固定砲台、天敵に近いカリタスへの解答。
といった所。
総括すると、「赤単が息切れしてくるころにどう戦うか」ということに関して、もっとも手堅く、強力なカードと言うことになります。

ではそれらを使わない今回の場合ではどうするか。
言い換えれば、「息切れする頃にどう戦うか」になります。

今回の場合その回答は「すり抜けて殴る」ことでした。
地揺すりのケンラやアン一門の壊し屋に加えて、カーリ・ゼヴ、カルト―シュ、そしてメインから投入されたアクームの火の鳥がこれにあたります。
各種回避能力ですり抜けて殴ることで相手のライフを安定して削り、土地や火力呪文で勝つことが可能な状況を早期に作ることを目指します。

ハゾレトはトランプルを持たず、チャンドラも堅実ではありますが上ブレもしにくいカード。
対してアクームの火の鳥は相手の飛行クリーチャーで止まりますが、上陸によりマナフラッドへの耐性と継戦能力を同時に獲得できます。
同型戦やアンチ赤単デッキ筆頭の黒系デッキ戦では、メインにおける飛行クロックは通しやすいのもGood。
昂揚のイシュカナだけが恐らく悩みのタネですが……恐らくその頃には火力等での致死圏内まで持って行けるかな、と。

そしてカリタスへの解答にもなり、除去としても本体火力としても使いやすい集団的抵抗も3枚採用。
回していた体感では、結構な速度で致死圏内まで持って行けるマッチが多かったです。


マリガンとサイドボード
マリガンに関してはメインもサイド後も「土地2枚くらい+綺麗に動ける手札」ならキープして大丈夫だと思います。
「土地1+クリーチャーやカルト―シュなど1マナ複数」といった手札も恐らくOKかと。1マナが19枚入っているので、1ターンくらい土地が詰まっても問題ない場合も多いです。
1マナクリーチャーが減ったサイド後で、ショックも本体に投げづらいマッチでは2マナから動く形でもOK。
その辺りは「どう殴っていくか」のプランに従いましょう。
また、回す際はカリタスに注意。特に集団的抵抗は1枚でカリタスを対処できる貴重な手段です。


「どう殴っていくか」のプランに関して、サイドボードの話。
サイド後は基本的にテンポを維持していくことを重視します。
相手の除去が増加することがまず考えられますし、キラーカードを投入してくることも予想されます。
「相手はどう動くか」、「その上で自分はどう動けば最も相手のライフを削れるか」を考えてカードを使い「殴って」いきます。

まずは入れるものに関して。基本的にはほぼ100%、4枚目の陽焼けした砂漠+栄光をもたらすもの2枚は投入していました。
追加でハンウィアー守備隊などを土地と一緒に入れても良いかと。

後手では削剥や乗っ取りなど、相手のキーカードに刺せるものや、巻き返しを図れるものもさらに入れます。
こちらはマッチによっては先手でも入れていいと思います。先手では余程相手との噛み合わせが悪くない限りはこちらが先に殴る展開になりますが、テンポ維持の補佐として。

カリタスの他に警戒するべきは、巻きつき蛇、ギセラなどの回復能力を持ったクリーチャーです。霊気圏の収集艇もそうですね。
メインでは焼夷流を当ててでも止めに行く連中です。火力はこいつらの存在も考えつつ使います。
削剥はこれらに刺さりますし、こちらの地上が止まってしまった際、本体火力を温存しながら道をこじ開けることが出来ます。

栄光をもたらすものはテンポをとりつつ4点押し込む役割です。通れば大体勝ち。

乗っ取りに関しては同型のハゾレト等大型クリーチャーを奪って強引に殴ります。アン一門の壊し屋などと組み合わせれば一気に勝ちが近づきますね。
サイドでの採用枚数を増加しても良いかもしれません。カーリ・ゼヴの巧技にしてもいいと思います。というかそちらの方が強いですね。

抜くものに関しては「ショック以外の1マナ」を始めとする「腐りそうなもの」です。
具体的には1マナクリーチャー12枚から3~6枚、カルト―シュが筆頭です。
地揺すりのケンラも、相手先手&EMNリリアナが予想される場合は1枚抜いても良いと思います。

1マナクリーチャーは全抜きすることはほとんどありませんが、さきほどのテンポ維持の面から殆どの場合数は減らします。
減らす基準は時々によって変わります。「BG系やコントロールなど相手が致し方なくタップインから始まる場合は速攻持ち8枚を残す」といった具合です。
まんべんなく1枚ずつ減らしたりすることもあります。これに関しては特筆せずとも相手の動き出しなどを見れば抜くものは分かりやすいかなぁと。

カルト―シュについてはまちまちです。残すこともありますが、テンポの面から削剥の枠に替えたりもします。
カルト―シュの回避能力と速攻付与やパンプは侮れませんが、刹那的な面も否めませんしね。

ケンラの他には相手の空中戦力が豊富な青白など白系相手では、火の鳥を抜いたりします。
猛火の斉射はモニュメントなどトークンやタフネス1で止まった地上を開けるために採用してみました。ショックと併せれば無私の霊魂もすりぬけやすいかな……という淡い期待。
……お察しの通り多分白系相手はとてもつらいです。ハイ。

終わりに
赤単がいつまで続くかは神のみぞしる、といった感じです。このデッキ神いないですけど。

イクサラン以降優秀な火力呪文を獲得できれば、今後も望みは大いにあるデッキだと考えています。
ハゾレトチャンドラ抜きという字面そのまま飛車角落ちに近いデッキですが、それでも勝ったり負けたり出来てしまう辺り、アモンケットで得た赤いカードは計り知れません。
タルキール龍紀伝、マジック・オリジンとPTを赤単が連続優勝したあの再来はあるのか。ひそかに期待していたりします。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

私は「プロと同じデッキが使える」といっただけでもウキウキするタイプの人間で、ウィザーズが言う通り、変化に富むメタゲームを楽しめるのも醍醐味だと感じております。
それ故に、そうしたことが実現しやすいスタンは大好きです。
この記事がどこまでお役に立てたか定かではありませんが、私同様スタンを楽しむ人が増えたり、皆さんのスタンの楽しみが広がれば幸いです。

次回はTwitterに書いたことのまとめ企画を予定。今回もそれに近かったのですがネ……
速度域に関する持論を投げてみようと思います。アドグレイスはいつになるやら。というか次の記事もいつになるやら。

それではまた、次の記事かどこかで。
それまで皆さんが良き赤マナに恵まれますように。

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